December 21, 2022
労働2022
これは 自分のことを好きなだけ話す Advent Calendar 2022 - Adventar 19日目の記事です。
振り返ってみると2019年から毎回参加してるっぽい。って思ったら2020は参加してなかった。なにはともあれ、アドベントカレンダーを立ててくれたしゃみさん、あざます。
今回の記事では今年の労働について簡単に振り返ります。愚痴多めです。 わざわざこのブログを読んでくれるような人は私が散々労働がしんどいとTwitterで愚痴っていることを知っていると思うので、そんなに目新しい話はないと思う。
あとあんまり具体的な話をすると身バレするので抽象的な話になると思いますが、そこは勘弁してください。
1月~3月
- 昨年(2021)夏からとある機能開発の案件に入った。がっつり開発…と思いきや、お客さんや海外のチームと仕様の提案とすり合わせと試験がメインの仕事だった。納期は年度末だけど、既存機能の拡張だからまあそこまでキツイ展開にもならないかな?と思ったが想像の五倍くらいのストレスが待ち受けていた。
- 1つ目のストレスはお客さんとの打ち合わせ。基本的にお客さんとの折衝に開発側の人間が参加することはあまりないんだけど、上司にお客さんとのやり取りに参加するのはいい経験になるよ!って言われ、技術面の調整役として参加することになった。いや、そういうコミュニケーション的な仕事したくないから開発の仕事に入ったフシがあるんですけど…とは言えずに渋々参加。もともと話すのが得意でないことに加え、相手がお客さんなので下手なことも言えないし、今回の製品も実質初めて携わるものだったのでかなりキツかった。打ち合わせのたびに「これ持ち帰って確認します」って言ったときにのお客さんのリアクションに毎回悲しい気持ちなっていたと思う。お客さんが特別変なわけではなく、俺のコミュ障と知識の無さでわかりませんを連発していたのがよくなかったのだった。おえ〜
- 2つ目のストレスは海外の開発チームとのやりとり。要するに英語がしんどかった。今の会社もとい部署のいいところの一つは、プロジェクトによっては海外のチームメンバーと働けること。海外のメンバーと働けるのってぼんやりカッコいいなーってのと、単純にいい経験になるかな思っていたんですけど、いざやってみるとひたすらしんどかった。学生時代を思い返すと多少の勉強はしていたものの、国際学会や交流の場で普通に苦労していた。当時は一日二日乗り切ればしばらく英語のスピーキングとリスニングは用無しになるのだが、業務では日々必要になる。学会だったら指導教員から「なんだか微妙な質疑応答だったね」と言われるだけで終わるが、業務だとそうはいかない。確実にコミュニケーションが取れないと日々の業務に支障が出る。幸い向こうも私のスピーキングとリスニング能力のなさに気づいたのか、相当気を使ってコミュニケーションをしてくれた。おかげで徐々にストレスレスに打ち合わせに臨めるようになったと思う。まあストレスなのは向こう側だったとは思うが…。申し訳ない。あとはそれなりに回数をこなす度胸もつくし、会話の背景も共有されるので、多少リスニングとスピーキングに難があっても成立していたと思う。たぶん…。
- しばらくするとこれらのストレスにも多少の耐性はつきつつ、2021年末には初回の顧客向けデモも乗り越え、割と人道的な労働時間でやっていた。が、年明けから更に開発がすすんでいくと、お客さんも海外のチームもアホみたいな量の要求や質問をだしてきてアホみたいに忙しくなってきた。
- これだけならともかく、別案件で検討していた特許を今年度出そうみたいな流れができてきて、その対応を3月までにやらねばならなくなった。 更に追い打ちをかけるように、過去にやってたプロジェクトの製品でやばめの現地問題が発生し、緊急の問題解析依頼が飛び込んできた。しかもなかなか尻尾をつかめない問題でこれだけでも気が狂いそうだった。現地問題は割と客へ細かいスパンで報告を求められるためマイクロマネジメント気味になりがち。肩の力をなかなか抜けずまじで消耗していた
- …みたいなことも重なり2月から3月にかけて異常な時間働いていたと思う。特に3月は納品に向けた試験の追い込みや検収まわりの環境構築の打ち合わせも加わって、あ、このまま働いていたら死ぬかしれないと本気で思っていた。本来ならそう思った瞬間に仕事をやめるべきなんだが、人間は働きすぎると正常な判断ができなくなるらしい。たまに働きすぎた結果、自分で自分を追い詰めて自殺する人がいるが、彼らは本当に死にたいと思って死んだのではなく、判断力がバグって、楽になる方法=死、みたいな短絡的な思考になるのかもしれない。幸い死ぬ前に納品も完了し、特許も出願して、現地問題も解決したので命拾いした。
- この時期は明らかに長時間労働が心身に悪影響を及ぼしていた。なぜか動悸がすごかったり、疲れてるのに夜中寝付けなかったり、やっと寝れたと思ったらまた動悸がして変な汗をたくさんかいて目が覚めたり。長時間労働健康法は全部ウソです。
4月~6月
- やっと一息…というわけでもなく、すぐに続きの開発に。納品した製品をベースに更に機能追加をしていくのが2022年度の仕事になった。ただすぐに開発に着手するわけではなく、事前検討みたいなことをしなければならず、お客さんがやりたいことが実現可能なのかひたすら調査調査…。ずっとパワポエンジニアしていた。
- この時期は割と人道的な労働時間に戻った気もする。いや、わからん。一度限界突破してしまうと感覚がおかしくなってしまうので…。少なくとも学生時代の俺が見たら卒倒してしまう労働時間ではあると思う。
- 前年度の超長時間労働に結果が追いついたのか、今までで一番いい評価を貰えた。今の会社には割と不満があるが、自身の評価について会社側と自分で大きな乖離がないのは数少ない良いところだと思う。ボーナスも額面はウハウハだったが、税金やらなんやらでがっつり引かれていて前回と比べて手取り的にはそこまで上がっていなかった。あと3月に労働しすぎていたので天引き額も今後増えるんだろうなとか考えてた。
- 検討結果の締め切りは6月いっぱいで、海外のメンバーが全員そろって納品の一週間前に休暇を取るなどのハプニングはあったが無事にやり遂げれた。
7月~8月
- そんなわけで実開発スタート!!って思いきや、まさかの先方からやっぱり続きはなしで宣言。具体的な理由は会社の機密に触れるのでここには書けない。俺に落ち度はなかった…はず。会社側としてもこのプロジェクトが終わるのは予想外だったようで、その後の俺のプロジェクトのアサインをどうしようみたいな話が中々まとまらず、1ヶ月ほど実質社内無職だった。Twitterでも言った気がするが、私が参加したプロジェクトはなぜか一年以内に変な終わり方をするジンクスがあり、これに関しても例外ではなかった(3回目). 良くも悪くもこの会社はある製品に深く詳しくなることが求められることが多い。そんな中、私は運悪く毎年違う製品開発をすることになり、社内でも特に胸を張って詳しいと言える製品と周辺の知識は身についていない。まあ私の要領が悪いだけだとは思うが…
- なんやかんやあったが次のプロジェクトが決まるまでは一年目の配属以来の暇さ具合だった。現地問題に行かされそうになったりもしたが運よく回避。定時に帰れる日も増加。露骨メンタルも回復して健康状態になった。やはり長時間労働は悪。
- しばらくぼーっとしていた矢先、昔お世話になった先輩がまさかの転職。今年五本の指に入るレベルでショックだった。めっちゃ優秀な人で、一緒に仕事していた当時はなんでこの会社にいるんだろうと思っていた。聞いたところによると、とりあえずいい感じの外資に転職できたらしい。今よりも労働時間減るし給料も馬鹿みたいに上がるらしいので純粋にめでたい。同時にやはり優秀な人から一抜けしていくのを実感させられる。去年も優秀な同期がいなくなったし。この会社は長いスパンで見たら泥舟なんだが、自力で泳いで他の船に映る実力もないので沈むまで乗り続けるしかない。
9月~現在
- 夏休み明けくらいに今のプロジェクトに参加。既存の製品の機能拡張とかではなく新規製品の開発をすることになった。本当にどう作りますかみたいなところからスタートなので今年度はずっとパワポエンジニアたまに手を動かす…になりそう。来年度からはどうなるのかね。
- 自分に与えられた役割は暗号化周りの機能で、やはり耐量子計算機暗号をよろしくとのことだった。最近そこらへんの情報を求めていたのはそういった背景がある。
https://t.co/7oTSEuDB31
— uta8a (@uta8a) November 18, 2022
日本語だと、耐量子計算機暗号という本が良いと思ってます!
あとこの前九州大で行われた研究イベント 耐量子計算機暗号と量子情報の数理 が動画もスライドも公開されていて分かりやすくておすすめです。https://t.co/Ol1KJT4RUm
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kaitoさん神!本のほうはポチって今手元にあります。
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で、実際の業務では暗号周りの機能だけでなく他の機能担当の人との連携とかもせねばならず、前のプロジェクトにくらべると関係各所が増えてコミュニケーションコストがかなり増えてきた。幸いお客さんとのコミュニケーションはなくなったので胃が痛くなることは大分減ったものの、打ち合わせが露骨に増えた。日中は打ち合わせばかりをして、実際の作業は残業時間…みたいな日も増えてきた。残業時間もまた前のプロジェクトの時間に戻りつつある。
で、今後どうするよ
- 暗号周りの話は学生の頃やりたくてしっかり取り組めなかった分野だったから、偶然とはいえ仕事でそこを担当できるのは素直に嬉しい。もともとCSの学科に行った理由はサイモン・シンの暗号解読を読んだのがきっかけだったので変な運命を感じる。まあ学生時代は結局信号処理まわりのことを研究していたんですけどね。それはそれで面白かった。
- 一方でやはりJTBCなので、 今までの話を読んだら察しがつくと思うが、仕事は”検討”ってやつがメインで実際に手を動かすのはグループ会社だったり外注になるんだろうなと予想している。もともとソフトウェア開発希望だったので当初思い描いていたキャリアとは大分違う所まで来ているように思う。耐量子計算機暗号みたいな興味がある分野を会社からお金をもらって関わっていくのは意外と悪くない。でもどんどん進んでいくとTwitterでよく言われているような、手を動かせないが口だけは出す市場価値はないおっさんになってしまう危機感がある。今年で30歳になったし、このまま会社と心中するか、どうせ結婚もしないんだから飢えるのは自分だけ!と割り切ってガリガリ開発ができる会社に転職するか、実は人生の大きな岐路に立っているのかもしれない。いや、わからない。違うかも知れない。怖い。お姉ちゃんに会いたい(伊地知虹夏)
読み返したけど、やっぱかなり抽象的な話になっている。詳細を知りたい方はFF内だったら多分DMで聞いてくれれば教えます。わからんけど。
以上です。